エフェクター特化ブログ「ヤツのエフェクター」へようこそ。
このブログでは、ギタリストが実際に使った名機や、サウンドの再現方法、現行品との違いを徹底的に掘り下げて紹介しています。
例えばBOSS CE-1(1976年)やArbiter Fuzz Face(1960年代)など、歴史的背景と希少性を備えたモデルが該当します。
以下では、ヴィンテージエフェクターを実際に愛用していたギタリストたちとともに、その魅力を紹介していきます。
60年代後半のロックサウンドを語る上で欠かせない存在、それがArbiter Fuzz Faceです。
ジミ・ヘンドリックスはこのゲルマニウム・トランジスタ搭載の初期モデルを愛用し、激しく暴れるようなファズサウンドを生み出しました。
代表曲「Purple Haze」「Foxy Lady」などにその音が聴こえます。
再現エフェクター
BOSSブランド初のエフェクターにして、今なお“最高のアナログコーラス”と評されるCE-1。
ジョン・フルシアンテはRed Hot Chili Peppersのライブでこのペダルを駆使し、ギターに立体感と浮遊感を与えました。
「Scar Tissue」や「Dani California」などで使用。
再現エフェクター
ピンク・フロイドの音世界を作り出した立役者がこのRam’s Head期のBig Muff。
ギルモアは「Comfortably Numb」などのリードトーンに使用。
70年代の中期に製造されたこのバージョンは特に人気が高く、今では“神格化”されたファズの一つです。
再現エフェクター
エディのブラウンサウンドに欠かせないモジュレーションエフェクト。
それが1970年代のScript Logo期のMXR Phase 90。
「Eruption」で炸裂する渦巻くようなフェイズサウンドは、この時代の個体ならではの艶と深みがあります。
再現エフェクター
Led Zeppelinの“空間系”といえばこれ。
EP-2はテープエコーならではのアナログな揺らぎと太さが特徴で、ジミー・ペイジはライブでもソロでもこのペダルを活用していました。
再現エフェクター
次章では、これらの名機をどこまで再現できるのか、また今から手に入れるにはどうすべきかを実用的に掘り下げていきます。
ヴィンテージペダルの魅力は、音の太さや揺らぎ、そして回路由来の“クセ”にあります。
しかし、それらの多くは生産終了しており、現物は高価かつ入手困難です。
そこで注目されるのが「リイシュー」「クローン」「モデリング」の3系統。
外装・内部回路を可能な限り再現しているが、オリジナルとの違いも音に現れる。
個人ビルダーや中小ブランドが作る“サウンド志向”のペダル。
特にAnalogman、Wren and Cuff、Vick Audioなどは、ビンテージトーン再現に定評あり。価格も2〜5万円台が中心。
Line6(HX Stompなど)やKemper、Neural DSPなどに代表される“モデラー”系は、ヴィンテージサウンドをプロファイルデータで再現。
扱いやすさは圧倒的だが、“実機の空気感”とは別物と感じる人もいる。
ヴィンテージペダルは年々高騰しています。特に動作確認済みのものや、オリジナルパーツが残っている個体はプレミア化しやすい傾向にあります。
いずれも「状態」「箱・説明書の有無」「改造の有無」で査定は大きく変動します。
ヴィンテージエフェクターを売却する場合、以下の3つの選択肢があります。
最近では、オンライン完結型の買取サービス「アンコールズ(Encores)」も注目されています。エフェクターやギターを送るだけで査定〜振込まで完了し、梱包キットも無料提供。手軽さと安心感の両立が魅力です。
査定前には以下のポイントを意識すると高評価になりやすいです:
次章では、実際に現代プレイヤーがヴィンテージエフェクターをどのように使っているのか、使用例やペダルボードの組み方まで掘り下げていきます。
ヴィンテージエフェクターの魅力は「音そのもの」だけでなく、現代のアーティストがそれをどう活かすかにも表れています。ここでは、実際にヴィンテージ機材を愛用している現代ギタリストたちの使用例と、その意図を紐解いていきます。
彼のボードには古いMaestro FZ-1やEchoplexなど、70年代の機材が数多く並びます。「整っていないからこそいい」という彼の美学は、ファズやテープエコーの不安定さと絶妙にマッチしています。
ファズフェイス系、Big Muff系を積極的に活用。特にライブではヴィンテージのシルバートーン・アンプ+オールドファズを通して“壊れかけたような”ローファイトーンを再現しています。
ギターだけでなくベースでもヴィンテージエフェクトを活用。特にMu-TronやVintage Octave、Electro-Harmonixの古い回路を使ったコンプレッサーなど、絶妙な“枯れ感”を狙って導入しています。
以下は、現在では“ヴィンテージ”とされるエフェクターの代表例です。生産終了しており、実機自体に価値があるものを中心に分類・整理しています。
機種名 | 分類 | 製造年代 |
---|---|---|
Arbiter Fuzz Face | ファズ | 1966年〜 |
Electro-Harmonix Big Muff Pi (Ram’s Head) | ファズ | 1973年〜 |
BOSS CE-1 | コーラス | 1976年 |
MXR Phase 90 (Script Logo) | フェイザー | 1974年〜 |
Maestro Echoplex EP-2 | テープエコー | 1964年〜 |
Univox Super-Fuzz | ファズ | 1968年〜 |
Roland Jet Phaser AP-7 | フェイザー+ディストーション | 1977年〜 |
Mu-Tron III | エンベロープフィルター | 1972年〜 |
EHX Electric Mistress | フランジャー | 1976年〜 |
Ross Compressor | コンプレッサー | 1970年代中期〜 |
Ibanez AD-80 | アナログディレイ | 1980年頃 |
※全機種とも生産終了済み。中古市場での価格は状態や改造有無により大きく変動します。
この記事では、歴史に名を刻んだヴィンテージエフェクターと、それを愛用したギタリストたちを紹介してきました。
再現方法(リイシュー・クローン・モデリング)、現在の市場相場、高く売るためのポイント、そして現代ギタリストの活用法まで、ヴィンテージサウンドに興味があるすべてのプレイヤーにとって、実践的な情報を詰め込みました。
最後にもう一度、ポイントを整理します:
あなたも、自分だけの“歴史ある1台”を見つけてみてはいかがでしょうか。