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今回ご紹介するのは、ヤードバーズからソロまで、常に進化し続けた孤高のギタリスト、ジェフ・ベック(Jeff Beck)です。
彼のサウンドは、ギターそのもののタッチやボリューム操作に大きく依存していましたが、同時に選び抜かれたエフェクターの存在も無視できません。
この記事では、実際に彼が使用していたと確認できるペダルを、信頼できるソースに基づいてご紹介します。
Bill Finneganによって設計された伝説的オーバードライブ「Klon Centaur」。その自然なブースト感と倍音豊かな音は、ギター本来のトーンを損なわず、より豊かに押し出します。
Equipboardによると、ジェフ・ベックは晩年のライブでこのペダルを使用しており、リアルタイムのコントロールと相まって、表情豊かなクリーン~クランチを自在に操っていました。
・Big Block(2007年 Crossroads Guitar Festival)
オリジナルのKlon Centaurは現在生産終了しており、中古市場で数十万円以上のプレミア価格が付いています。再発モデル「Klon KTR」も人気ですが、こちらも供給が不安定です。
1965年にGary Hurstが設計した初期ファズペダル「Tone Bender MKI」は、歪みによる“シタール風”のサウンドで一世を風靡しました。
ジェフ・ベックはヤードバーズ時代、このペダルを使って独特のミッドレンジの押し出しを表現。
特に「Heart Full of Soul」ではその効力が顕著であり、録音にも実際に使用されています。
・Heart Full of Soul(1965年 The Yardbirds)
オリジナルのMK Iは非常に希少でヴィンテージ市場では100万円を超えることも。近年ではSola SoundやJHSによる正確なリイシューモデルが存在し、音の再現度も高評価です。
豊かなサステインと太い歪みで知られる「Big Muff Pi」は、ジェフ・ベックの太く粘るようなリードトーンに欠かせない存在でした。
・Big Block(2007年 Crossroads Guitar Festival)
Big Muff Piは現在もElectro-Harmonixから現行品が販売されており、価格も手頃。ロシア製、ラムズヘッドなど様々な復刻モデルも登場しており、音の違いを楽しめます。
Empress EffectsのTremoloは、タップテンポやモード切替に加え、細かな設定が可能な多機能トレモロペダルです。
・Brush with the Blues(Live at Ronnie Scott’s)
Empress Tremoloは新品でも入手可能で、国内外のショップや通販で安定して販売されています。
RE-101はRE-201の兄弟機で、テープエコーならではの温かみとアナログ感ある残響が特徴です。
・Goodbye Pork Pie Hat(Live at Ronnie Scott’s)
ヴィンテージ市場で高値で取引されており、状態の良い個体はかなり希少です。BOSS RE-20や最新のRE-202など、現行機種で代用可能です。
Pro Co RATは、1978年に登場したディストーションペダルで、鋭く荒々しい歪みと豊かな中域が特徴です。オペアンプによるクリッピングを採用し、ロックやオルタナティブ系で定番の一台となっています。
・Live from the 1995 tour(具体的な楽曲は未特定)
1995年ツアー全体で使用されたことが知られており、当時のライブ映像などでそのトーンを確認できます。
Pro Co RATは現在も「RAT 2」として生産が続けられており、手頃な価格で入手可能です。初期の「Whiteface RAT」などのヴィンテージモデルは中古市場で高騰しています。
ジェフ・ベックの音作りには、手元の表現力とエフェクターの“選び方”が深く関係しています。
あなたのボードにも、彼のスピリットを宿す一本を加えてみてはいかがでしょうか?