ジョン・フルシアンテのエフェクター完全ガイド|Red Hot Chili Peppersの音作りを再現しよう
レッチリのギタリスト、ジョン・フルシアンテ。そのサウンドは「シンプルで感情的」──多くのファンが魅了される理由でもあります。
この記事では、ジョン・フルシアンテが使用しているエフェクターを徹底解説。ライブやレコーディングでの使用例、各ペダルのセッティング、購入方法まで網羅しました。
Red Hot Chili Peppersファンや、彼のような音作りを目指すギタリスト必見の内容です。
- この記事はこんな方におすすめ!
- ジョン・フルシアンテ使用エフェクター 一覧
- BOSS DS-2 Turbo Distortion:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター①
- BOSS SD-1 SUPER OverDrive:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター②
- MXR M-133 Micro Amp:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター③
- EHX Big Muff Pi:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター④
- MXR M300 Reverb:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑤
- BOSS DD-500 Digital Delay:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑥
- MXR Phase 90:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑦
- Ibanez WH10 V3:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑧
- MXR Dyna Comp:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑨
- BOSS CE-1 Chorus Ensemble:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑩
- Line 6 DL4:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑪
- Line 6 FM4:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター12
- Electro-Harmonix Holy Grail:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター13
- Digitech PDS-1002:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター14
- Digitech Whammy:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター15
- Moogerfooger MF-101:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター16
- Moogerfooger MF-103:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター17
- まとめ:ジョン・フルシアンテの音を支える17のエフェクター
この記事はこんな方におすすめ!
- ジョン・フルシアンテのようなエモーショナルな音作りを再現したいギタリスト
- Red Hot Chili Peppers(レッチリ)のサウンドに憧れている方
- 実際に使われている機材・セッティングを知りたい機材マニア
- これからエフェクターを揃えたい初心者〜中級者ギタリスト
- ライブやレコーディングで使える信頼性の高いペダルを探している方
ジョン・フルシアンテ使用エフェクター 一覧
エフェクター名 | メーカー | 種類 | 備考 |
---|---|---|---|
Turbo Distortion | BOSS | ディストーション | メインのリード用歪みペダル |
SD-1 SUPER OverDrive | BOSS | オーバードライブ | 常時オンで音に温かみを加える |
Micro Amp | MXR | ブースター | ソロ用のクリーンブースト |
Big Muff Pi | Electro-Harmonix | ファズ | 厚みのあるファズサウンド |
M-300 | MXR | リバーブ | 2台使いでロング/ショートリバーブを使い分け |
DD-500 | BOSS | ディレイ | 高品位な32bitデジタルディレイ |
M-101 Phase90 | MXR | フェイザー | 「Parallel Universe」等で使用 |
WH10 V3 | Ibanez | ワウ | 象徴的なワウサウンドを支える |
M-102 Dyna Comp | MXR | コンプレッサー | カッティングやクリーンの粒立ちに貢献 |
CE-1 Chorus Ensemble | BOSS | コーラス | 初期のレッチリサウンドの要 |
Line 6 DL4 | Line 6 | ディレイ | 多彩なプリセットをライブで活用 |
Line 6 FM4 | Line 6 | フィルター | 変態系サウンドの秘密兵器 |
Holy Grail | Electro-Harmonix | リバーブ | ナチュラルな空間演出 |
Electric Mistress | Electro-Harmonix | フランジャー | 空間に浮遊感を加える |
Digitech PDS-1002 | Digitech | ディレイ | デジタルディレイ(旧機材) |
Digitech Whammy | Digitech | ピッチシフター | 激しい音変化を可能に |
Moogerfooger MF-101 | Moog | フィルター | アナログフィルターで有機的変化 |
Moogerfooger MF-103 | Moog | フェイザー | 12ステージの深いモジュレーション |
Super Badass Variac Fuzz | MXR | ファズ | 電圧調整で暴れ方をコントロール |
Willson Effects NotRite Fuzz | Willson Effects | ファズ | 深く歪む個性派ファズ |
CP-251 Control Processor | Moog | コントロール | モジュレーション制御用 |
GigRig QuarterMaster | GigRig | ループスイッチャー | ボード全体の統制に |
BOSS DS-2 Turbo Distortion:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター①
ジョン・フルシアンテのリードトーンに欠かせないのが、BOSS DS-2 Turbo Distortionです。
このペダルは、彼の鋭くエモーショナルなソロプレイを支えるメインの歪みとして、長年にわたり使用されています。
DS-2には2つのTURBOモードが搭載されており、ジョンは特に「モード2」を多用。
このモードにより、より激しく、アグレッシブなディストーションサウンドが得られます。
上記のように、最近のライブ写真でもDS-2が2台ボードに組み込まれていることが確認できます。
代表曲「Dani California」や「Around the World」のソロ部分では、そのサウンドが存分に発揮されています。
BOSS DS-2:ジョンのセッティング例
ジョンは2台のDS-2を使い分けており、それぞれ微妙に異なるセッティングがされています。
以下はライブでの参考セッティングです。
1台目
Level | 3時 |
---|---|
Tone | 3時 |
Dist | 12時 |
Turbo | モード2 |
2台目
Level | 3時 |
---|---|
Tone | 3時 |
Dist | 2時 |
Turbo | モード2 |
BOSS DS-2の入手方法
このペダルは多くのオンラインショップで入手可能です。アグレッシブなディストーションを求める方におすすめです。
同じくDS-2を使っているアーティスト
- カート・コバーン(Nirvana)
- リヴァース・クオモ(Weezer)
- バーナード・バトラー(元Suede)
- プリンス
BOSS SD-1 SUPER OverDrive:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター②
BOSS SD-1 SUPER OverDriveは、ジョン・フルシアンテが常時オンで使用することで知られるペダルです。
音にほんのりとした歪みと温かみを与え、ギター全体のトーンを豊かにしてくれます。
SD-1の特徴は、非対称クリッピング回路による独自の倍音構成と、真空管アンプのようなナチュラルなオーバードライブ感。
ジョンはこのペダルを通して、ギターの音にわずかな太さと厚みを加え、バンド全体のグルーヴを支えています。
Unlimited Loveツアーでは、SD-1はペダルボードの常設機材となっており、ほぼ全ての楽曲で常にONの状態だったとされています。
BOSS SD-1:ジョンのセッティング例
Level | 12時 |
---|---|
Tone | 12時 |
Drive | 10時 |
トーンとレベルを中間に設定し、ドライブは控えめに。
この設定により、他の歪みペダルのサウンドを邪魔せずに下支えします。
BOSS SD-1の入手方法
ロングセラーのオーバードライブとして、各種ショップで簡単に手に入ります。
同じくSD-1を使っているアーティスト
- ジャック・ホワイト(The White Stripes)
- ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)
- エディ・ヴァン・ヘイレン
- ジ・エッジ(U2)
- マイク・スターン(ジャズギタリスト)
- スティーヴ・ヴァイ
MXR M-133 Micro Amp:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター③
ジョン・フルシアンテがクリーンブースターとして多用しているのが、MXR M-133 Micro Ampです。
このペダルはシンプルな1ノブ設計ながら、サウンドに芯とパンチを加える重要な役割を果たしています。
最大+26dBのゲインブーストが可能で、ピックアップの出力補正やソロの音量アップなど、使い方は多岐に渡ります。
ジョンはこのペダルを主にクリーン〜クランチトーンの補強として、音の厚みを調整するために使用していると考えられます。
MXR Micro Amp:ジョンのセッティング例
Gain | 11時 |
---|
つまみは一つのみ。
ジョンはライブに応じて微調整しながら使っており、Unlimited Loveツアー時は11時方向のセッティングが確認されています。
MXR Micro Ampの入手方法
定番のブースターとして長年愛されており、主要な楽器店や通販サイトで広く販売されています。
同じくMicro Ampを使っているアーティスト
- ノエル・ギャラガー(Oasis)
- ジャック・ホワイト(The White Stripes)
- ジョー・サトリアーニ
- アレックス・ターナー(Arctic Monkeys)
- デイヴ・グロール(Foo Fighters)
- フリー(Red Hot Chili Peppers)
EHX Big Muff Pi:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター④
Big Muff Piは1970年代に登場し、今なお数多くのギタリストに愛され続ける伝説的なファズ。
ジョンはこのペダルをソロやリードの際に使い、甘く歌うようなファズトーンを生み出しています。

Big Muff Pi:ジョンのセッティング例
Volume | 5時 |
---|---|
Tone | 12時 |
Sustain | 4時 |
サステインを強めに設定し、太く長く伸びるファズトーンを活かしています。
まさに「歌うようなソロ」を支える要となる設定です。
Big Muff Piの入手方法
多くのモデルが存在するため、購入時には型番や回路の違いに注意が必要です。
レギュラーモデルは幅広く流通しています。
同じくBig Muff Piを使っているアーティスト
- ビリー・コーガン(The Smashing Pumpkins)
- ジミ・ヘンドリックス
- カルロス・サンタナ
- J・マスシス(Dinosaur Jr.)
- ジャック・ホワイト
MXR M300 Reverb:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑤
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのサウンドに空間的な奥行きを与えているのが、MXR M300 Reverbです。
ジョンはこのペダルをロング/ショートの2台使いでライブにも取り入れています。

M300はコンパクトな筐体に6種類の高品位なリバーブモード(Plate / Spring / Epic / Mod / Room / Pad)を搭載。
ジョンはこれを使い分けながら、ギターが自然に楽曲へ溶け込むような残響を演出しています。
ジョンのリバーブの使い方に関してはこちらでも詳しく語られています。
MXR M300:ジョンのセッティング例
2台のM300を使い分けるスタイルをとっており、片方はショートリバーブ(RoomやPlate)、もう片方はロングリバーブ(EpicやPad)用に設定していると考えられます。
MXR M300の入手方法
国内外問わず人気のあるモデルで、オンラインストアでも在庫が安定しています。
同じくM300を使っているアーティスト
- ジム・ルート(Slipknot)
BOSS DD-500 Digital Delay:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑥
ジョン・フルシアンテのサウンドにおける時間的な広がり──ディレイを担っているのが、BOSS DD-500です。
この次世代デジタルディレイは、彼のギターソロやアンビエントなフレーズに欠かせない存在となっています。
DD-500は12種類の高品位ディレイモードを搭載し、32bit/96kHz処理による極めて高い音質で知られています。
ジョンはこのペダルを用いて、複雑なフィルインや奥行きある空間演出を実現しています。
DD-500:ジョンのセッティング
詳細なセッティングは公表されていませんが、ライブ映像ではステレオ出力やモジュレーションディレイを使っている様子が確認できます。
DD-500の入手方法
BOSSのフラッグシップモデルとして高い人気を誇り、多機能ディレイの定番として広く流通しています。
同じくDD-500を使っているアーティスト
- 松本孝弘(B’z)
- 生形真一(Nothing’s Carved In Stone)
- AKIHIDE(ex.BREAKERZ)
MXR Phase 90:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑦
ジョン・フルシアンテのプレイに独特のうねりを与えるエフェクターが、MXR Phase 90です。
クリーントーンやソロにモジュレーションを加えることで、奥行きのあるサウンドを生み出しています。
フェイザーの効果は一聴してわかりづらいものですが、この動画では複数のフルシアンテ風セッティングを比較できます。
代表曲では「Parallel Universe」などで効果的に使用されています。
MXR Phase 90:ジョンのセッティング
Speed | 10時 |
---|
ジョンはSpeedノブを10時付近に設定し、自然な揺らぎを楽曲に加えています。
MXR Phase 90の入手方法
定番のアナログ・フェイザーとして、MXR Phase 90は現在でも広く入手可能です。
同じくPhase 90を使っているアーティスト
- トム・モレロ(RATM/Audioslave)
- エディ・ヴァン・ヘイレン
- ザック・ワイルド
- サーストン・ムーア(Sonic Youth)
Ibanez WH10 V3:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑧
ジョン・フルシアンテの象徴ともいえるワウサウンドを生み出しているのが、Ibanez WH10です。
初期型から最新のV3まで愛用しており、「Can’t Stop」「Dani California」などのソロでは特に印象的に使われています。
この動画では、WH10 V3の実際の動作や音の特性がわかりやすく紹介されています。
ジョンのようなスムーズでエモーショナルなワウサウンドを目指すなら、必携の1台です。
Ibanez WH10 V3:ジョンのセッティング
DEPTHノブの位置は楽曲によって微調整されており、ソロでは深め、カッティングでは浅めに設定されることが多いようです。
Ibanez WH10 V3の入手方法
Ibanezの公式復刻モデル(V3)が現在入手可能で、ジョンファンにも支持されています。
その他の使用ギタリスト
このペダルはジョンの代名詞的存在であり、他の著名ギタリストによる使用報告はほとんど確認されていません。
まさに「ジョン・フルシアンテ専用機」とも言える希少性を持っています。
MXR Dyna Comp:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑨
ジョン・フルシアンテの歯切れの良いクリーントーンやカッティングを支えているのが、定番コンプレッサーであるMXR Dyna Compです。
この動画では、ジョンのライブにおけるDyna Compの使用例がいくつも確認できます。
特に「By The Way」や「Can’t Stop」など、パーカッシブで粒立ちのよいカッティングにこのコンプが貢献しています。
MXR Dyna Comp:ジョンのセッティング
OUTPUT | 2時 |
---|---|
SENSITIVITY | 2時 |
2022年「Unlimited Love」ツアー時はこのようなセッティングで使用されていました。
音の輪郭を強調し、トーン全体を前に押し出す効果があります。
MXR Dyna Compの入手方法
数十年に渡り愛されているベストセラー・コンプです。
サウンドにまとまりとパンチを加えたいプレイヤーには最適な1台です。
その他の使用ギタリスト
- ノエル・ギャラガー(オアシス)
- エイドリアン・ブリュー
- イングヴェイ・マルムスティーン
- ロビン・トロワー(Procol Harum)
BOSS CE-1 Chorus Ensemble:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑩
1976年に登場したBOSS CE-1は、世界初のコーラス・ペダルとして知られる名機です。
ジョン・フルシアンテはこのエフェクターを、クリーントーンに深みや立体感を加える目的で使用しています。
「Under the Bridge」など、繊細なギターサウンドでその効果を感じることができます。
BOSS CE-1:ジョンのセッティング
項目 | 設定値 | 備考 |
---|---|---|
モード | High(高インピーダンス) | プリアンプとしても活用 |
レベル | 11時前後 | 9〜11時で微調整 |
コーラス | ON(控えめ) | 自然な揺れで厚みを加える |
ビブラート | OFF | 使用せず |
BOSS CE-1の入手方法
CE-1はすでに生産終了しており、中古市場(Reverb、eBayなど)での入手が主となります。状態により価格は約40,000〜80,000円。
その他の使用ギタリスト
ジョニー・マー(The Smiths)はCE-1のコーラスを使って、煌びやかで瑞々しいサウンドを実現しています。
この投稿をInstagramで見る
- ジョニー・マー(The Smiths)
- アレックス・ライフソン(Rush)
- ロビン・トロワー(Procol Harum)
Line 6 DL4:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター⑪
ジョン・フルシアンテがライブで空間系の演出に活用しているのがこのLine 6 DL4です。
特に「Scar Tissue」や「Don’t Forget Me」など、幻想的で広がりのあるディレイサウンドを表現する際に使用されています。
Line 6 DL4:ジョンのセッティング
機能 | 設定値 | 用途 |
---|---|---|
Preset 1 | Analog Echo(Delay Time: 約450ms) | 「Don’t Forget Me」などで残響感 |
Preset 2 | Sweep Echo(Mod Depth: 中) | 空間演出やスリップ感 |
Preset 3 | Reverse Delay | 「Turn It Again」などの特殊効果 |
Line 6 DL4の入手方法
現行のDL4 MkIIが公式に販売されており、旧モデルよりも軽量かつMIDI対応・ルーパー強化などアップデートされています。
オリジナルの旧型DL4は中古市場で根強い人気があり、ジョンが使用していたのも旧モデルです。
類似・後継モデル:
その他の使用ギタリスト
Line 6 DL4は、アーティストによってはディレイ+ルーパーとしても使用されています。ジョン同様、リズムに揺らぎを持たせるサウンドが得意です。
- オマー・ロドリゲス・ロペス(The Mars Volta)
- リアム・フレイ(The Courteeners)
- リチャード・フォータス(Guns N’ Roses)
Line 6 FM4:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター12
ジョン・フルシアンテがライブやスタジオで使う変態系フィルターの代表格が、この「Line 6 FM4」です。
20種類以上のフィルター・シンセ風エフェクトを内蔵し、「Throw Away Your Television」や「Don’t Forget Me」などで特有のうねりや過激な変調サウンドを生み出しています。
Line 6 FM4:ジョンのセッティング例
プリセット | モード | 用途 |
---|---|---|
Preset 1 | Seeker | 連続変調フィルターでリズム感を加える |
Preset 2 | Octisynth | シンセ風ベースラインの再現 |
Preset 3 | Tron Up/Down | Envelope Filter的な用途 |
Line 6 FM4の入手方法
生産終了品ですが、中古市場(ReverbやYahoo!オークション)では比較的多く出回っています。
価格帯はおおよそ25,000〜40,000円前後。
類似・代替候補:
・Source Audio C4 Synth
・Empress ZOIA(モジュラーシンセ型)
・EHX Bass Micro Synth(音作りが似ている)
その他の使用ギタリスト
- オマー・ロドリゲス・ロペス(The Mars Volta)
- ナイル・ロジャース(Chic)※スタジオで実験的に使用
- ダン・オーバック(The Black Keys)
Electro-Harmonix Holy Grail:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター13
ジョン・フルシアンテが1999年〜2006年頃に愛用していたとされるリバーブペダルが、この「EHX Holy Grail」です。
クラシックなスプリング/ホールリバーブを再現し、特にクリーントーンの奥行きやアンビエントな空気感の演出に用いられていました。
Holy Grail:ジョンのセッティング例
モード | セッティング | 用途 |
---|---|---|
Hall | Reverbノブ:11時 | アンビエントな空間感を演出 |
Spring | Reverbノブ:1時 | クリーンアルペジオやソロ時に使用 |
Flerb | 使用せず(ジョンはあまり好まず) | 変則的なモジュレーション用途 |
EHX Holy Grailの入手方法
現在もリイシュー版が販売中。旧型ナノサイズではなく、初期型の大きな筐体モデルがジョン使用モデルとされます。
中古市場(Reverb、ヤフオク等)で10,000〜20,000円前後。
類似・代替モデル:
その他の使用ギタリスト
- トム・ヨーク(Radiohead)
- エド・オブライエン(Radiohead)
- ダン・アウアーバック(The Black Keys)
Digitech PDS-1002:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター14
ジョン・フルシアンテが90年代後半〜2000年代初頭に使用していたレアなデジタルディレイがこの「Digitech PDS-1002」です。
2秒までのディレイタイム、ループ再生、無限リピートなどユニークな機能が特徴。
特に「Sir Psycho Sexy」などの楽曲で、実験的な音響処理に活用されていました。
Digitech PDS-1002:ジョンのセッティング例
ノブ | セッティング | 用途 |
---|---|---|
Delay Time | 75%付近 | 1〜1.5秒のロングディレイ |
Repeat | 最大 | 無限リピートによるドローン的サウンド |
Level | 12時 | 原音とエフェクトをバランスよく |
Digitech PDS-1002の入手方法
生産終了モデルのため、中古市場での入手が基本です。ReverbやeBayで稀に出回っており、価格は25,000〜40,000円程度。
代替候補:
その他の使用ギタリスト
- エイドリアン・ブリュー(King Crimson)
- アラン・ホールズワース
- ケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)
Digitech Whammy:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター15
「ワーミー」の愛称で知られるDigitech Whammyは、ピッチを自在に操作できるエフェクターで、ジョン・フルシアンテもライブで積極的に使用しています。
「Parallel Universe」や「Dani California」のサビ後の上昇フレーズなど、印象的なフレーズを構築するのに欠かせない1台です。
Digitech Whammy:ジョンのセッティング例
モード | 用途 |
---|---|
+1 Oct Up(1オクターブ上昇) | ギターソロやクライマックスのアクセントに |
Harmonizer +1 Oct / -1 Oct | 不穏な雰囲気のコードバッキングに |
Detune | 微細な揺れでシンセ的テクスチャーを追加 |
Digitech Whammyの入手方法
現在はWhammy VやWhammy Ricochetなどのモデルが主流ですが、ジョンが使っていたのは初代またはWhammy 4世代と言われています。
中古市場では15,000〜25,000円程度。現行モデルも入手しやすく、音質はさらに向上。
その他の使用ギタリスト
- トム・モレロ(Rage Against The Machine)
- ジャック・ホワイト(The White Stripes)
- ジョシュ・オム(Queens of the Stone Age)
Moogerfooger MF-101:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター16
ジョン・フルシアンテがスタジオ録音や一部ライブセットアップで使っていたのが、Moogerfooger MF-101 Lowpass Filter。
これは伝説的なアナログシンセ開発者「ボブ・モーグ」が設計したフィルターエフェクトで、ギターのトーンに“生き物のような動き”を与えることで知られています。
Moogerfooger MF-101:ジョンのセッティング例
ノブ | セッティング | 効果 |
---|---|---|
Cutoff | 11時 | 中低域中心の暖かいフィルター |
Resonance | 1時 | フィルターの輪郭を強調 |
Envelope Amount | 12時 | ピッキングに応じた変化を演出 |
Moogerfooger MF-101の入手方法
現在は生産終了モデル。中古市場(Reverbなど)で40,000〜80,000円ほどで取引されており、希少価値が高いです。
エンベロープフィルターとローパスを兼ね備えた“楽器的エフェクト”として、多くのプレイヤーに重宝されています。
代替・クローン候補:
その他の使用ギタリスト
- フリー(Red Hot Chili Peppers)※ベースで使用
- オマー・ロドリゲス(The Mars Volta)
- トム・ミッシュ
Moogerfooger MF-103:ジョン・フルシアンテの使用エフェクター17
Moogerfooger MF-103は、12ステージのアナログ・フェイザーを搭載した特異なエフェクター。
ジョン・フルシアンテはこのエフェクトで、空間をねじるようなトーン変化やトリップ感を演出していました。
スタジオ音源や即興セッションで活用されることが多く、他の一般的なフェイザーとは一線を画す存在です。
Moogerfooger MF-103:ジョンのセッティング例
ノブ | セッティング | 効果 |
---|---|---|
LFO Rate | 10時 | ゆっくりうねるようなフェイズ感 |
Resonance | 2時 | 強調されたピークで空間を彩る |
Mix | 12時 | 原音との自然なブレンド |
Moogerfooger MF-103の入手方法
MoogのMoogerfoogerシリーズはすべて生産終了。MF-103も例外ではなく、中古市場での入手が主です。
価格は60,000〜100,000円前後。高騰中のため早めのチェックが推奨されます。
代替・クローン候補:
・Electro-Harmonix Small Stone
その他の使用ギタリスト
- ジョン・メイヤー
- オマー・ロドリゲス(The Mars Volta)
- トム・モレロ(RATM)※実験的セッティングで活用
まとめ:ジョン・フルシアンテの音を支える17のエフェクター
この記事では、ジョン・フルシアンテが実際に使用してきたエフェクターを厳選して17台紹介しました。
彼のプレイスタイルは、速弾きや派手なテクニックに頼らず、感情と空間を操るようなギタープレイにあります。
その核を支えるのが、今回紹介したようなビンテージから最新モデルまでのこだわり抜かれたペダル群です。
サウンドの厚みや歪みの質感、空間処理まで、ペダル1台1台に役割があります。
「同じ機材を揃えたらジョンの音になるわけじゃない」とよく言われますが、逆に言えば、
同じ機材を通して初めて分かる“引き算の音作り”もあるはずです。
気になるペダルがあったら、まずは1台だけでも試してみてください。
そこから、あなたなりの“Fruscianteism(フルシアンテ主義)”が始まるかもしれません。
今回紹介したエフェクター一覧
カテゴリ | メーカー | モデル名 | 補足 |
---|---|---|---|
Distortion | BOSS | DS-2 Turbo Distortion | リード用メイン歪み |
Overdrive | BOSS | SD-1 SUPER OverDrive | 常時オンのトーン補強 |
Booster | MXR | Micro Amp | ソロや音圧アップに |
Fuzz | EHX | Big Muff Pi | 甘いソロトーンに活躍 |
Reverb | MXR | M300 Reverb | ロング&ショート使い分け |
Delay | BOSS | DD-500 | 高音質で細やかな演出 |
Phaser | MXR | Phase 90 | 自然な揺らぎ |
Wah | Ibanez | WH10 V3 | 象徴的なワウサウンド |
Compressor | MXR | Dyna Comp | カッティングを際立たせる |
Chorus | BOSS | CE-1 Chorus Ensemble | 空気感のあるコーラス |
Delay | Line 6 | DL4 | 多機能ディレイ+ルーパー |
Filter/Mod | Line 6 | FM4 | 変態フィルター系 |
Reverb | EHX | Holy Grail | アンビエントな空気感 |
Delay | Digitech | PDS-1002 | ロングディレイ+無限ループ |
Pitch Shifter | Digitech | Whammy | 1オクターブ上昇/ハーモナイズ |
Filter | Moog | MF-101 | 生き物のようなフィルター効果 |
Phaser | Moog | MF-103 | 12ステージのアナログフェイズ |
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント