【完全保存版】カート・コバーンの使用エフェクターまとめ|Nirvanaサウンドの再現に必要な全知識
グランジロックの象徴、Nirvanaのフロントマンとして今も影響力を持つカート・コバーン(Kurt Cobain)。本記事では、彼が愛用したエフェクターを詳細に解説し、Nirvanaサウンドを再現するための機材選びをサポートします。
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この記事はこんな人におすすめ
- カート・コバーンのギターサウンドを忠実に再現したい人
- Nirvanaの曲をライブや録音でカバーしたい人
- 90年代グランジロックの音作りを研究しているギタリスト
- DS-1とDS-2の違いを知りたい人
- 宅録やDTMでラフなディストーションサウンドを取り入れたい人
カート・コバーンのサウンドの特徴とは?
カートの音作りの核となるのは、ローゲイン〜ミッドゲインのディストーション+ローファイ志向です。
使用ギター(Mustang、Jaguarなど)との相性もあり、ディストーションペダル単体でも芯のある音が出ており、さらに空間系(Small Clone、Poly Chorus)で立体感や浮遊感を加えるのが特徴的です。
カート・コバーンが使用したエフェクター一覧
カテゴリ | 機材名 | メーカー | 使用時期 / 楽曲例 |
---|---|---|---|
ディストーション | DS-1 | BOSS | 初期ライブ / Bleach, Nevermind |
コーラス | Small Clone | Electro-Harmonix | Come As You Are |
モジュレーション | Poly Chorus | Electro-Harmonix | Heart-Shaped Box / In Utero期 |
アンプシミュレーター | SansAmp Classic | Tech21 | In Uteroツアー / ライブ用 |
BOSS DS-1|鋭く粗いディストーションがNirvana初期サウンドの核
DS-1は、カート・コバーンがNirvana初期から使用していたアイコニックなディストーションペダルです。
1980年代から続くBOSSの定番ペダルであり、ローファイかつザラついた歪みが特徴。Marshallなどの高価なアンプを使わずとも、荒々しく存在感のある音を作れるため、コバーンにとって欠かせない存在でした。
使用された代表曲
- School
- Negative Creep
- Breed(ライブ時)
特徴
- 安価で入手しやすく、シンプルな3ノブ設計
- 硬質でざらっとした歪みがローファイサウンドに最適
- コード弾きでも潰れすぎず、バンドアンサンブルで埋もれない
設定例(カートのセッティングに近づける)
- Level:最大(12時〜MAX)
- Tone:11時~1時
- Distortion:最大
ライブでは歪みをフルにしていたとされますが、レコーディングでは若干控えめに調整していたという証言もあります。
入手方法と価格
現在もBOSSより新品が販売されています。中古市場でも多く流通しており、予算に応じて選べます。
同じエフェクターを使用しているギタリスト
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- ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
- ジョー・サトリアーニ
- スティーブ・ヴァイ

Electro-Harmonix Small Clone|「Come As You Are」の浮遊感を生んだ名機
Small Cloneは、カート・コバーンが「Come As You Are」で使用したことで一躍有名になったアナログ・コーラスペダルです。温かみのある揺れと広がり感が特徴で、Nirvanaの不穏で浮遊するサウンドを象徴する存在です。
使用された代表曲
- Come As You Are
- Lithium(ライブ)
特徴
- 深く太いアナログコーラスサウンド
- Rate(揺れの速度)とDepth(深さ)の2コントロールで直感的に操作可能
- バッキングギターやアルペジオでの使用に最適
設定例(カートのセッティングに近づける)
- Rate:11時〜12時
- Depth:ON(スイッチを上に)
カートはこのエフェクターを「音の輪郭をぼやかすため」に使用していたと言われており、原音を殺さずに揺らぎを加える用途で重宝していました。
入手方法と価格
Electro-Harmonixから現行モデルが販売されております。
小型タイプのNANO Cloneもオススメです。
同じエフェクターを使用しているギタリスト
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- トム・ヨーク(Radiohead)
- ジョシュ・クリングホッファー(元Red Hot Chili Peppers)
- ケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)
Electro-Harmonix Poly Chorus|歪んだ浮遊感とアナログモジュレーションの融合
Poly Chorusは、カート・コバーンが『In Utero』期に愛用していたアナログ・マルチモジュレーションペダル。コーラス・フランジャー・ダブリングなどの多彩な揺れ効果を1台で生み出せ、特に「Heart-Shaped Box」の独特なトーンに欠かせない存在です。
使用された代表曲
- Heart-Shaped Box
- Scentless Apprentice(ライブ)
特徴
- Chorus / Flanger / Double Track / Filter Matrix の4モード搭載
- 独自のメタリックで空間的なモジュレーション
- ノブ数が多く、音作りの幅は広いが少し玄人向け
設定例(カートのセッティング再現)
- Mode:Filter Matrix
- Width:2時
- Rate:9時
- Feedback:12時
- Tune:11時
特に「Filter Matrix」モードは、LFOによる揺れを停止させて金属的なコムフィルター効果を加えるモード。カートはこの独自のモードで、非現実的な倍音感と奥行きあるサウンドを演出していました。
入手方法と価格
Poly Chorusは長らく生産完了となっており、中古市場でのみ入手可能。復刻版も存在するが、音質に差があるという意見も。
同じエフェクターを使用しているギタリスト
- ジョン・フルシアンテ
- エイドリアン・ブリュー(King Crimson)
- J・マスシス(Dinosaur Jr.)
SansAmp Classic|スタジオ録音にも対応したカートの秘密兵器
「アンプが壊れても、これさえあれば何とかなる」──カート・コバーンがそう語ったとされるのが、Tech21のSansAmp Classic。真空管アンプのような太さとコンプレッション感を持ちつつ、ライブ現場でも安定して使えるアンプシミュレーターです。
使用された代表曲 / タイミング
- Radio Friendly Unit Shifter(ライブ)
- In Utero ツアー全般(アンプの代用)
特徴
- トグルスイッチ式のEQ/キャビネットモデリング
- DI(ダイレクトボックス)としてPAに直結可能
- コンパクトサイズながらフルレンジな音作り
設定例(ライブ環境での使用)
- Buzz:12時
- Punch:1時
- Crunch:1時
- Presence:10時
- Low:1時 / High:11時
ステージ環境が毎回変わるツアーにおいて、安定したNirvanaトーンを再現する要として重宝されました。カートの機材の中ではやや“テクニカル”な位置づけで、モジュールの切り替えで歪みからクリーンまで多彩に対応。
入手方法と価格
現在は「SansAmp Classic」は中古市場でしか流通しておらず、価格は20,000円〜35,000円程度。Tech21からは他にも多くのSansAmpシリーズが発売されており、現行品ならGT2やCharacterシリーズが選択肢に。
同じエフェクターを使用しているギタリスト
- ゲディー・リー(Rush)
- リッチー・コッツェン
- ジョン・メイヤー(一部セッション)
カート・コバーンが使用していたという“説”のあるエフェクターたち
以下に紹介するエフェクターは、確定的な証拠はないものの、音質やファンの考察、当時のライブ映像などから「使われていたのではないか」とされる有力候補です。カートの音作りの深層に迫るヒントとして、ぜひチェックしてみてください。
Electro-Harmonix Big Muff π|『Bleach』期の轟音ファズ?
巨大な中低域とブーミーな歪みで知られるBig Muff。『Bleach』期の重厚なリフやノイズの質感がDS-1ではなくBig Muffに近いとする声も多く、「初期Nirvanaの荒々しいサウンドはこれで作られたのでは?」という推測があります。証言や写真は存在しませんが、音の傾向から有力視されています。

BOSS DS-2|後期ディストーションの定番?
カートが使っていたとされるBOSS DS-1の後継的存在。DS-2はターボモードを搭載し、よりレンジの広いアグレッシブなサウンドを提供します。『In Utero』ツアー後期に使われていたという話もありますが、機材写真の混同や誤認の可能性もあるため、あくまで一説とされています。
Univox Super-Fuzz|幻のオルタナ・ファズ
Nirvanaの機材に関するディープなファンサイトやSNSでは、「Univox Super-Fuzzのような音がするライブ録音が存在する」という報告もあります。日本製のレアペダルで、重厚かつ独特なファズサウンドが魅力。J・マスシスなど他のオルタナ勢が使っていたこともあり、影響を受けていた可能性も否定できません。
まとめ
- Big Muff π:Bleach期の重い歪みに最も近いファズ。使用説多数。
- DS-2:後期に登場したBOSSディストーション。DS-1からの移行説あり。
- Univox Super-Fuzz:幻のファズ。音質的には近いが証拠は薄い。
まとめ|カート・コバーンの“粗さ”が武器になる
カート・コバーンのサウンドは、決して高価な機材や複雑なセッティングに頼ったものではありません。むしろ、手に入りやすいエフェクターを、自分なりの美学で使い倒した結果生まれたローファイかつエネルギッシュなトーンが、世界中のリスナーを魅了しました。
どのペダルを選ぶべき?レベル別おすすめ
- 初心者:まずはBOSS DS-1でNirvanaの原点に触れよう
- 中級者:Small CloneやPoly Chorusで空間系のニュアンスを再現
- 上級者:SansAmp ClassicやBig Muffなど、個性的な機材で“カート的ノイズ”を追求
グランジというジャンルの枠を超え、「心の叫びを、荒削りな音で表現する」という手法は、今の音楽にも通じる普遍的な力を持っています。ぜひ、あなた自身のギターでも、あの“壊れかけた美しさ”を鳴らしてみてください。
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