「アンプシミュレーターって、どれも似たような音じゃない?」
そう思っていた時期が、筆者にもありました。
Logic Pro付属のアンプ、Guitar Rig、BIAS FX……どれもクオリティは高いけれど、どこか「っぽい音」止まり。特にFenderのクリーントーンを求めると、そのもどかしさを感じていました。
ところがAmpliTube 5 MAXを使い始めてから、その感覚が完全に変わりました。画面に表示される「Fender」のロゴが、他のソフトとは根本的に違う意味を持っていたからです。
この記事では、ギタリスト・DTMer目線でAmpliTube 5 MAXを徹底レビューします。
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AmpliTube 5 MAXとは?まず数字で把握する
AmpliTube 5 MAXは、イタリアのIK Multimediaが開発するギター・ベース向けアンプシミュレーターの最上位エディションです。
この435種という数字の質が重要です。ただの「数合わせ」ではなく、各ブランドが公式監修した本物のモデリングが揃っています。その意味は次のセクションで詳しく解説します。

AmpliTube 5のエディション比較——MAXとv2の違いは?
「どのエディションを買えばいいのか」「v1とv2で何が変わったのか」という疑問をよく見かけます。結論から言うと、これから買うならMAX v2一択です。理由を整理します。
エディション別ギア数の比較
SE・無印とMAXの最大の違いは「公式ライセンスブランドが入っているかどうか」です。Fender、Mesa/Boogie、Orangeといった実在ブランドの正式モデリングはMAXにしか含まれません。SE・無印に収録されているアンプは「American Lead」「British Blue Tube」のような汎用名称のモデルになります。
「AmpliTube 5 MAX」と「v2」の違い
2023年4月のアップデートで「AmpliTube 5 MAX v2」となりました。「v1」という正式名称はなく、アップデート前は単に「AmpliTube 5 MAX」と呼ばれていました。v2での主な追加内容は以下の通りです。
- AmpliTube MESA/Boogie 2コレクションが追加
- X-GEARソフトウェア版4種(X-DRIVE / X-SPACE / X-TIME / X-VIBE)が追加
- これらを個別に購入すると合計で数万円相当
旧「AmpliTube 5 MAX」を所持している場合はアップグレード版が用意されています。
なぜFenderロゴが「本物」なのか?Logic付属との決定的な違い
AmpliTube 5 MAXを初めて開いたとき、筆者が最初に感じたのは「あれ、このFenderロゴ……本物じゃないか?」という違和感でした。
Logic ProにもAmpDesignerというアンプシミュレーターが付属しており、クオリティは十分高い。でも、どのアンプも「American Clean」「Brit Crunch」のようなジャンル名・特徴名で呼ばれるにとどまっています。「Fender Twin Reverb」とは書いていない。
一方、AmpliTube 5を開くと…

「'65 Twin Reverb」「'64 Vibroverb Custom」「'57 Champ」……Fenderの固有モデル名がずらりと並んでいます。そして画面上にはFenderの公式ロゴが堂々と表示されている。
これは偶然でも雰囲気でもありません。
IK MultimediaとFenderは正式ライセンス契約を結んでいる
AmpliTubeの公式サイトには、以下の記載があります。
「FENDER™ および全FENDERアンプ、ロゴ、トレードドレスはFMIC(Fender Musical Instruments Corporation)の商標であり、ライセンスのもとで使用されている」
さらに、Fenderコレクションの開発はIK Multimediaのエンジニアだけで行われたのではなく、Fenderのエンジニアとサウンドの専門家が全工程に参加し、サウンドの認証を行っています。
つまり、AmpliTube 5のFenderアンプは:
- Fender本社が「これはうちのサウンドだ」と認めたモデリング
- 固有モデル名('65 Twin Reverb等)を正式に名乗れる唯一のソフト
- Fenderのロゴを正式に表示できる公式コラボ製品
Logic付属の「American Clean」も悪くはありませんが、Fenderが公認した'65 Twin Reverbとは別物です。この違いは、実際に弾いてみると音の説得力としてはっきり感じられます。
Fenderだけじゃない。公式ブランドの幅がすごい

上の画像を見てほしいのですが、Fender、Fulltone、Morley、Seymour Duncan、T-REX、Wampler、ZVEXなど、エフェクターギタリストなら目を引くブランドが公式ロゴ付きで並んでいます。これだけのブランドが正式ライセンスを与えているということは、それだけIK Multimediaのモデリング技術が信頼されている証拠でもあります。

Fenderはアンプだけでなく、エフェクターも公式収録されています。'63 Reverb、Blender、Tape Echo……筆者は実機のFender Shields Blenderを所有していますが、AmpliTube上のBlenderを開いたとき、その再現度に素直に驚きました。
プリセットだけで最強説——「あのバンドの曲名」プリセットの話
AmpliTube 5を開いてまず圧倒されるのが、プリセットの質と量です。
しかし筆者が特に面白いと感じるのは、プリセットの名前にあります。
プリセット名が露骨すぎる

これは筆者がToneNETで収集したサウンド名の一覧。ユーザーたちがアップロードしたトーンには、こんな名前が並んでいます。
著作権の都合でバンド名や曲名を直接名付けられないことも多いのでしょうが、ギタリストなら一瞬で「あ、あれだ」とわかる命名センス。そしてそのトーンを読み込むと、本当にあのバンドの音がする。

これはAmpliTube付属のプリセット「Whole Lotta Page」。Led Zeppelinの名曲とJimmy Pageの名前を掛けた、わかる人にはすぐわかる命名です。ちなみにプリセットリストには「johnny computer」という名前も並んでいて、Jonny GrenwoodとOK Computerを同時に想起させる。このあたりのセンスがたまりません。選んだ瞬間に立ち上がるのは「Red Pig」というアンプで、見るからにヴィンテージな赤いMarshall系の見た目。鳴らした瞬間にあのPlexiサウンドが飛び出してきます。

「Another Generic Shoegaze Preset」はToneNETから拾ってきたトーン。Electric GypsyコレクションのJH1200アンプを使ったデュアルシグナルチェーン構成で、自虐的な名前に反して弾いた瞬間に本格的なウォールオブサウンドが出てきます。筆者はショーゲイザー好きとして、このトーン名に思わず笑いました。
プリセットはエフェクターの教科書でもある
プリセットの凄さはサウンドだけではありません。各プリセットのシグナルチェーンを見ることで、エフェクターの使い方・接続順の正解例が学べます。
- コンプはアンプの前?後?
- EQはどこに入れるのが効果的?
- モジュレーション系はアンプの前か後か?
「ここにEQが入るのか」という発見が、プリセットを眺めているだけで次々と出てきます。リアルペダルボードを組む前の予習としても、AmpliTubeのプリセット研究は非常に有益です。
ToneNETで他人のセッティングから学ぶ
AmpliTube 5には、ToneNETというコミュニティ機能が内蔵されています。
世界中のユーザーが自分のプリセット(シグナルチェーン設定)を公開・共有しており、それをそのままAmpliTube 5内に読み込んで試せます。IK Multimedia公式の発表では、AmpliTubeの登録ユーザーは350万人。その膨大なユーザーが作ったセッティングに、無料でアクセスできます。

上の画像はToneNET内で「acdc」と検索した結果です。「Back in Black - ACDC」「ACDC Highway to Hell v2」「ACDC Tone Malcolm Young」など、あのバンドの曲ごとに世界中のユーザーが作り込んだセッティングがズラリと並んでいます。
好きなバンド名・アーティスト名で検索するだけで、そのサウンドに近いセッティングが即座に見つかる。これは他のアンプシミュレーターにはない強みです。
特に面白いのが、プロが作ったシグナルチェーンを分解して学べる点です。「このプリセット、アンプの後にEQが入ってる。なるほど、こういう使い方があるのか」という発見が止まりません。エフェクターボードを組み始めたばかりの方にとって、ToneNETは世界一コスパの良いエフェクター教室です。
ToneNETはAmpliTubeを持っていれば無料で使えます。Plugin Boutiqueでセール時に購入するのが最もお得です。
DTMでの実用性——Logic Proとの組み合わせ
筆者はLogic ProをメインDAWとして5年以上使っており、AmpliTube 5はAudio Unitsプラグインとして常用しています。
Logic Proとの相性
AUプラグインとして問題なく動作します。レイテンシーも実用範囲内で、宅録のギタートラックに直接インサートして使えます。Logic付属のAmpDesignerより設定項目が多い分、最初は少し戸惑いますが、慣れれば音作りの幅が格段に広がります。
スタンドアロンとしての活用
AmpliTube 5はDAWなしでスタンドアロンでも動作し、8トラックのレコーダーが内蔵されています。「ちょっとリフを録っておきたい」というときに、LogicすらたちあげずにAmpliTubeだけで完結できるのは地味に便利です。またスタンドアロンのライブモードを使えば、ステージ上でのPCアンプとしても機能します。
AmpliTube 5 MAXはこんな人におすすめ
まとめ——「本物のFenderロゴ」がある理由、わかりましたか?
AmpliTube 5 MAXをひと言で表すなら、「公式ライセンスの本物が435種揃っているプラグイン」です。
Logic付属のアンプが「American Clean」と名乗るのは、Fenderの許可なしにFenderと名乗れないから。AmpliTube 5が「'65 Twin Reverb」と堂々と名乗れるのは、Fender本社が監修・認証した正規のモデリングだからです。
プリセット名を見ているだけで「あのバンドはこういう音を作っていたのか」と学べる楽しさ、ToneNETで350万人のセッティングにアクセスできる教育的価値、そして公式ライセンスブランドの圧倒的な数。長年アンプシミュレーターを使い続けてきた筆者が、現時点で最もおすすめできる一本です。
AmpliTube 5 MAX v2はPlugin Boutiqueで月に1回以上のペースでセールが開催されます。購入前に現在の価格を確認するのがおすすめです。Plugin Boutiqueにアカウント登録しておくと次回セール時に通知が届きます。
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DTM環境をまるごと強化したい方へ:AmpliTube 5 MAXを含む160以上のIKソフトウェアがセットになったTotal Studio 5 MAXもあります。T-RackS、SampleTank、TONEX MAXなども一緒に手に入るため、本格的な宅録環境を一気に揃えたい方にはこちらがお得です。
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