「ギルモアの音は、どのペダルで作っているの?」
Pink Floydのデヴィッド・ギルモアは、ギターの音色の良さで知られる人物です。
ただ、使う機材は時代ごとに入れ替わってきました。
この記事では、使用エフェクターを時代別に整理します。
後半では、今買えるペダルで近づく方法も紹介します。
結論:ギルモアの音の核は、Ram's HeadのBig Muffです。70年代後半からはElectric Mistressが加わり、Echorecなどの空間系が、音の広がりを支えました。
この記事で分かること
- ギルモアが使ってきたエフェクターと、時代ごとの変化
- Big MuffやElectric Mistressの使い方と、使われた時期
- 近年のツアーの機材
- 今買えるペダルで近づく方法
※情報は、ギルモアの機材を長年調べているファンサイト「Gilmourish」と、各種の公開情報に基づいています。年代や型番は、資料で確認できた範囲を書いています。
ギルモアの使用エフェクター|時代別一覧
| 時代・作品 | 主な機材 |
|---|---|
| 1972〜75年 『The Dark Side of the Moon』期 | Dallas Arbiter Fuzz Face、Colorsound Power Boost、Univox Uni-Vibe、Binson Echorec II |
| 1975年 『Wish You Were Here』 | Fuzz Face(BC108)、Colorsound Power Boost、MXR Phase 90、Binson Echorec II |
| 1976〜77年 『Animals』期 | Big Muff(Ram's Head)、Electric Mistress(リハーサルで登場) |
| 1978〜83年 | Electric Mistressが中心(『David Gilmour』『The Wall』のツアー、『The Final Cut』) |
| 1984年〜 | Boss CE-2を、80〜90年代の作品でも使用 |
| 2015〜16年 Rattle That Lockツアー | Big Muff(Ram's Head)、Electric Mistress、Chandler Tube Driver、Providence Chrono Delay、Digitech Whammy 5ほか |
※『The Dark Side of the Moon』期の機材は、当時の写真などから確認されたものです。使用の時期や曲は、資料によって異なる場合があります。
Big Muff|ギルモアの音の核
ギルモアのBig Muffは、ギターテックのフィル・テイラーが、1974年に紹介したものです。
1970年代半ばに、Ram's Headと呼ばれる世代を手に入れたとされています。
2台のRam's Head
Gilmourishの調査では、ギルモアには、主に2台のRam's Headがあります。
1台目は、スタジオ用です。ほぼすべてのアルバムで聴けるとされますが、ツアーでは使われませんでした。
2台目は、ツアー用のメインです。ペダルのつまみが、Fuzz Faceのような形に替えられています。
Pete Cornishが作ったバッファーも、組み込まれました。
この2台目は、1976〜77年のAnimalsツアーから、2015〜16年のRattle That Lockツアーまで、使われた時期があります。
ほかのBig Muffと、Pete Cornishの回路
1993年の『The Division Bell』の録音と、翌年のツアーでは、SovtekのCivil Warが、メインの歪みでした。
2006年の『On an Island』ツアーの後半では、Triangleモデルも使われています。
Pete Cornishが作った、Big Muffをもとにしたカスタム回路(P1、P2など)も、時期によって使われました。
公式映像の「Comfortably Numb」では、Big MuffとElectric Mistressを組み合わせた音が聴けます。
Ram's Headの特徴と歴史は、別の記事で詳しく書いています。
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Electric Mistress|70年代後半の揺れ
Electric Mistressは、フランジャーのペダルです。
ギルモアは、このペダルを、最も早く使い込んだ人物のひとりとされています。
1976年の終わりのAnimalsツアーのリハーサルで、緑ロゴの初期モデルが、ペダルボードに登場しました。
その後、1977年10月以降に、Pete Cornishがボードに組み込んでいます。
1978年のソロ作『David Gilmour』や、『The Wall』のツアー、1983年の『The Final Cut』で、多く聴けるとされています。
近年のRattle That Lockツアーでも、ヴィンテージの1976〜77年のモデルが、ラックに入っていました。
EHX Deluxe Electric Mistress XOを探す:
70年代前半|Fuzz Face、Power Boost、Echorec
『The Dark Side of the Moon』のころの写真には、Fuzz FaceやColorsound Power Boostが写っています。
『Wish You Were Here』のセッションでも、同じ系統の機材が確認されています。MXR Phase 90も、この時期のものです。
ただし、アルバムの中で、どの曲にどう使ったかは、はっきりしていません。
ディレイは、Binson Echorec IIです。70年代の終わりまで、使い続けたとされています。
「Shine On You Crazy Diamond」の冒頭のソロは、アンプを使わず、ミキシングコンソールに直接録音されたとされています。入力のコンプレッサーだけで歪ませた音で、ペダルを使った音ではない点も、知っておくと役立ちます。
公式映像で、70年代の代表曲のサウンドを聴けます。
80年代以降|Boss CE-2とPete Cornishの機材
1984年の『About Face』のツアー機材に、Boss CE-2が入っています。
80〜90年代の作品や、ライブ盤でも、CE-2のコーラスが聴けるとされています。
Pete Cornishが作ったボードや、カスタムのコーラスも、何度か登場しました。
ただ、Cornishの機材は、バックアップや代替として使われた場面が多いとされています。近年のRattle That Lockツアーには、入っていません。
コーラスの選び方は、こちらの記事で比べています。
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近年の機材|Rattle That Lockツアー(2015〜16年)
近年のツアーでは、ペダルを足元に並べる形ではなく、ラックとMIDIのスイッチャーで管理しています。
| 種類 | 機材 |
|---|---|
| ファズ・歪み | Electro-Harmonix Big Muff(Ram's Head)、Chandler Tube Driver、BK Butler Tube Driver |
| フランジャー | Electro-Harmonix Electric Mistress(1976〜77年) |
| コンプレッサー | Effectrode PC-2A、Demeter Compulator ほか |
| ディレイ | Providence Chrono Delay、Free The Tone Flight Time、Dawner Prince Boonar(2016年9月に追加) |
| ピッチ | Digitech Whammy 5 |
| アンプ | Hiwatt Custom 50W ヘッド、Alessandro のヘッド、WEM Super Starfinder キャビネット |
公式映像で、近年のサウンドを確認できます。
今買えるペダルで近づく
ヴィンテージの機材は、入手が難しく、価格も高くなりがちです。
そこで、今買えるペダルを、役割別に整理しました。価格は、購入前に各ショップで確認してください。
| 役割 | ギルモアの機材 | 今買えるペダルの例 |
|---|---|---|
| ファズ | Ram's Head Big Muff | Electro-Harmonix Ram's Head Big Muff Pi |
| フランジャー | Electric Mistress | Electro-Harmonix Deluxe Electric Mistress XO |
| フェイザー | MXR Phase 90 | MXR '74 Vintage Phase 90 |
| コーラス | Boss CE-2 | Boss CE-2W |
| コンプレッサー | MXR Dyna Comp | MXR Dyna Comp |
| ピッチ | Digitech Whammy 5 | Digitech Whammy 5 |
フェイザー|MXR '74 Vintage Phase 90
Phase 90は、『Wish You Were Here』の時期に確認されています。
MXR '74 Vintage Phase 90を探す:
Phase 90の詳しい解説は、こちらです。
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コーラス|Boss CE-2W
80年代以降のコーラスは、CE-2が代表的です。現行のCE-2Wは、日本製のWAZAクラフトシリーズです。
Boss CE-2Wを探す:
コンプレッサー|MXR Dyna Comp
Pete Cornishのボードには、MXR Dyna Compが入っていたとされています。
MXR Dyna Compを探す:
ピッチ|Digitech Whammy 5
Rattle That Lockツアーでは、Whammy 5が使われています。
Digitech Whammy 5を探す:
ディレイを選びたい方は、こちらの比較記事が参考になります。
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ギルモアのギターが気になる方へ
ギルモアの使用ギターは、姉妹サイトで詳しく解説しています。
よくある質問
ギルモアの代表的なペダルは何ですか?
最も有名なのは、Ram's HeadのBig Muffです。ほかに、Electric Mistress、Boss CE-2、Binson Echorecが挙げられます。
Big Muffは、どの世代を使っていますか?
主に、Ram's Headと呼ばれる世代です。ほかに、SovtekのCivil WarやTriangleのモデルも、時期によって使われました。
ペダルを使わずに弾いた曲はありますか?
「Shine On You Crazy Diamond」の冒頭のソロは、アンプを使わず、コンソールに直接録音されたとされています。
Pete Cornishのボードは、今も使われていますか?
Cornishの機材は、バックアップや代替として使われた場面が多いとされています。近年のRattle That Lockツアーには、入っていません。
初心者は、どのペダルから揃えればよいですか?
まずは、Big Muff系のファズが、ギルモアの音の入口になります。次に、ディレイやコーラスを足していくのがおすすめです。
まとめ
ギルモアの音の核は、Ram's HeadのBig Muffです。
Electric MistressやBoss CE-2、Echorecなどが、時代ごとに加わりました。今は、現行のペダルで、近い音を試せます。
ファズの選び方は、こちらの記事で紹介しています。
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