【厳選】シューゲイザーにおすすめのエフェクター10選|“音の壁”を最短で作る定番機材まとめ
シューゲイザーのギターって、ただ歪ませてるだけじゃない。
歪み × 空間 × 揺れを重ねて、ボーカルも含めた“音の塊”を作る――そこが醍醐味です。
この記事では、シューゲイザーのサウンドメイクで実際に語られがちな定番ペダル/現場で使われやすい役割をもつ機材を、
「なぜ必要か」「どう使うか」までセットで整理しました。
最終更新日:2025年12月25日
この記事はこんな人におすすめ
- シューゲイザーの“音の壁”を、手持ち機材から再現したい
- 何を買い足せば近づくか、役割ベースで知りたい
- 歪み・空間・揺れの「順番」と「組み合わせ」で失敗したくない
シューゲイザーの基本は ①歪み(壁の芯)→ ②ディレイ(奥行き)→ ③リバーブ(空気)。
ここに ④揺れ(コーラス等) や ⑤ピッチ系(Whammy等) を足すと、一気に“それっぽく”なります。
- シューゲイザーとは?(3行でわかる)
- シューゲイザーの音作りの特徴|なぜ“エフェクター前提”のジャンルなのか
- シューゲイザーの音作りは「役割分担」で考える
- 1. シューゲイザーにおすすめエフェクター Marshall ShredMaster
- 2. シューゲイザーにおすすめエフェクター ProCo RAT
- 3. シューゲイザーにおすすめエフェクター Digitech Whammy
- 4. シューゲイザーにおすすめエフェクター Electro-Harmonix Big Muff π
- 5. シューゲイザーにおすすめエフェクター BOSS Digital Delay(DD-3)
- 6. シューゲイザーにおすすめエフェクター Eventide Space
- 7. シューゲイザーにおすすめエフェクター Line 6 Helix
- 8. シューゲイザーにおすすめエフェクター Eventide TimeFactor
- 9. シューゲイザーにおすすめエフェクター YAMAHA SPX90
- 10. シューゲイザーにおすすめエフェクター Fulltone OCD
- 【まとめ】シューゲイザーの音作りは「機材」ではなく「構造」で決まる
- よくある質問(FAQ)
シューゲイザーとは?(3行でわかる)
シューゲイザー(Shoegaze)は、80年代末〜90年代初頭のUKを中心に成立したギター・ロックの潮流で、
大量のギターエフェクトによる音のレイヤーと、ボーカルが溶けるようなミックスが特徴です。
“壁みたいな音”を作るために歪み・残響・フィードバックを積み上げていく――その発想がコアになります。
※概要:AllMusicのジャンル解説では、過剰なエフェクト/歪み/フィードバック/埋もれるボーカルといった特徴が説明されています。
(参照:AllMusic – Shoegaze genre overview)
名前の由来は、ライブでプレイヤーが足元(ペダルボード)を見つめがちだったことから――
つまり“靴を見てる(shoe-gaze)みたいだ”と呼ばれた、ちょっと皮肉混じりの言葉です。
※語源・呼称の説明:AllMusic / Wikipedia / Gibsonの解説に同趣旨の記述があります。
この記事の方針(大事)
- 「使用された」表現は慎重に:本記事では、公式・インタビュー・機材写真・信頼できる媒体で根拠が確認できる場合のみ、使用を断定します。
- 根拠が弱い場合:「定番」「相性が良い」「この役割で使われやすい」という機能・音作りの観点に切り替えて解説します。
- 読むメリット:ただの羅列ではなく、役割→つなぎ順→設定の目安まで整理して、あなたが選べる状態にします。
じゃあ、ここから先は「具体的にどのエフェクターを選ぶべきか」。
歪み(Wall)/空間(Depth)/揺れ(Dream)/ピッチ(Weird)の役割ごとに、
“シューゲイズの景色”を作れる10台を紹介します。
参考・出典:
・AllMusic「Shoegaze Music Genre Overview」(ジャンルの特徴・命名)
・Wikipedia「Shoegaze」(成立年代・特徴・呼称の説明)
・Gibson「Shoegaze… defined by My Bloody Valentine and Ride」(語源の解説)
シューゲイザーの音作りの特徴|なぜ“エフェクター前提”のジャンルなのか
シューゲイザーのギターサウンドは、
「アンプの歪み」ではなく「エフェクターの重なり」で成立しているのが最大の特徴です。
そのため、機材選びを間違えると「ただの歪んだギター」で終わってしまう。
逆に言えば、役割を理解して組めば、そこまで高価な機材でなくても“それっぽい景色”は作れます。
シューゲイザーの音作りは「役割分担」で考える
- ① 歪み(Wall / 芯):音の密度と持続音を作る。ファズ or ディストーションが核。
- ② ディレイ(Depth / 奥行き):フレーズを前後に広げ、立体感を出す。
- ③ リバーブ(Air / 空気):音と音の境界を溶かし、“景色”に変える。
- ④ 揺れ系(Dream):コーラス等で輪郭を曖昧にし、浮遊感を加える。
- ⑤ ピッチ系(Weird):Whammyなどで非現実感・異物感を混ぜる。
重要なのは「全部を完璧に揃えること」ではなく、どの役割をどれで担うかを決めること。
よくある失敗例
- 歪みを強くしすぎて、リバーブ前に音が潰れる
- リバーブを先にかけて、歪みで全部消し飛ぶ
- 空間系を盛りすぎて、バンドアンサンブルで輪郭が消える
実際のシューゲイザーバンドでも、
「完璧な単音」より「混ざったときの質感」を優先して機材が選ばれています。
だからこそこの記事では、スペックではなく
“どの役割を担えるか”という視点でエフェクターを整理しています。
ここからは、こうした役割を実際に担ってきた
シューゲイザー文脈で語られる定番エフェクターを、
「なぜ選ばれるのか」「どこで効くのか」という視点で見ていきます。
1. シューゲイザーにおすすめエフェクター Marshall ShredMaster

出典:サウンドハウス
シューゲイザーにおける歪みは、
ギターを前に出すためのものではありません。
複数の音をまとめ上げ、「音の壁」の芯を作るための存在です。
Marshall ShredMasterは1991年に登場した、
ブリティッシュ・ロック系ディストーションの名機。
単体で弾くと派手さは控えめですが、
ディレイやリバーブを後段に重ねたときに音像が崩れにくい点が、
シューゲイザー文脈で長く評価されてきました。
ShredMasterがシューゲイザー向きな理由
- 中低域に芯が残り、複数音が重なっても痩せにくい
- Contourノブでミッドの重心を細かく調整できる
- リバーブ前段に置いても音が潰れにくい
豊かな中低域と粘りのある歪みが特徴のディストーションペダルです。
UKロック〜シューゲイザーにおいて、
「歪み単体で完成させない音作り」を前提に選ばれてきました。
動画からも分かる通り、
歪みそのものよりも空間系と組み合わさったときの密度感が肝。
シューゲイザーにおいては、
「歪みは壁の素材」という考え方がよく当てはまります。
2. シューゲイザーにおすすめエフェクター ProCo RAT

出典:サウンドハウス
ProCo RATは、
シューゲイザーにおいて「壁の芯」ではなく「壁の質感」を担う歪みです。
ShredMasterが音をまとめる役割だとすれば、
RATは表面をザラつかせ、感情のノイズを足す存在と言えます。
1978年に登場したこのペダルは、
パンクやグランジの文脈で語られることが多いですが、
歪ませた音が“潰れきらない”という特性が、
シューゲイザーのレイヤー構造と非常に相性が良い。
RATがシューゲイザー向きな理由
- 歪ませてもコード感が残りやすい
- Filterノブで高域の荒さを調整できる
- ディレイ・リバーブと重ねたときに「汚れ」が前に出る
ザラついた高域と太い中域が特徴のディストーションペダル。
シューゲイザーでは、
音の輪郭を曖昧にしすぎず、あえて粗さを残す目的で使われることが多いです。
動画を聴くと分かる通り、
RATは空間系の中でも埋もれず、ノイズとして存在感を保つ。
そのため、
「歪み+空間」の重なりを意識したシューゲイズ的音作りにおいて、
非常に使い勝手のいい一台です。
実際のシューゲイザーでは、
RATを常時ONで使うというより、曲中の感情が高まる部分だけ踏むケースも多い。
“壁を壊すための歪み”として考えると、役割が見えやすくなります。
より詳しい使用アーティストや背景については、以下の記事で整理しています。

3. シューゲイザーにおすすめエフェクター Digitech Whammy

出典:サウンドハウス
Digitech Whammyは、
シューゲイザーにおいて「音程を変えるためのエフェクター」ではありません。
役割はもっとシンプルで、音の世界に“異物感”を混ぜることです。
歪み・ディレイ・リバーブで作られた音の壁は、
放っておくと美しく整いすぎる。
Whammyはそこに現実感のない揺らぎや跳躍を加え、
シューゲイザー特有の「気持ち悪いほど浮遊する感覚」を生み出します。
Whammyがシューゲイザー向きな理由
- コードやノイズを“別の高さ”に引きずり上げられる
- 空間系と併用すると、音程の輪郭が溶ける
- フレーズで使わなくても、持続音に踏むだけで効果的
エクスプレッションペダルによって音程をリアルタイムに変化させられるピッチ系エフェクター。
シューゲイザーでは、
メロディを弾くためではなく、音像を歪ませるために使われることが多いです。
動画でも分かる通り、
Whammyは単体だとかなり主張が強い。
しかし歪み+リバーブの“完成された壁”に薄く混ぜると、
一気にシューゲイズらしい非現実感が生まれます。
常用する必要はありません。
むしろ曲中で一瞬だけ踏む、
それだけで“景色が歪む瞬間”を作れる。
Whammyは、そんな異常値担当のエフェクターです。
4. シューゲイザーにおすすめエフェクター Electro-Harmonix Big Muff π

出典:サウンドハウス
Electro-Harmonix Big Muff πは、
シューゲイザーにおいて「歪みの一種」ではありません。
役割はもっと明確で、音の壁そのものです。
サステインが極端に長く、アタックが丸く潰れる。
その結果、ギターの輪郭は溶け、
音が“前後左右に広がる塊”として存在するようになります。
これこそが、シューゲイザーでBig Muffが語られ続ける理由です。
Big Muffがシューゲイザー向きな理由
- 単音もコードも一様な質感に潰れる
- サステインが長く、音が途切れない
- リバーブ・ディレイと重ねる前提で完成する
ミッドがやや引っ込み、低域と高域が広がるファズペダル。
シューゲイザーでは、
「ギターを楽器として聴かせない」ための歪みとして使われます。
実際の現場でも、
Big Muffは単体で完成させることはほとんどありません。
必ずディレイやリバーブと組み合わされ、
音の境界を完全に溶かすために使われます。
動画からも分かる通り、
Big Muffの真価は「音が鳴り続けている時間」にあります。
フレーズよりも持続音、
メロディよりも質感。
それが、このペダルの居場所です。
90年代以降のシューゲイザーだけでなく、
現代のシューゲイズ/ノイズ系バンドにおいても
「壁の原型」として確実に受け継がれています。
Big Muffを中心に据えるかどうか。
それだけで、あなたの音作りは
“メロディ重視”か“質感重視”かに分かれます。
5. シューゲイザーにおすすめエフェクター BOSS Digital Delay(DD-3)

出典:サウンドハウス
シューゲイザーにおいてディレイは、
「フレーズを繰り返すためのエフェクト」ではありません。
音に“奥行き”を与え、時間軸を歪ませるための装置です。
BOSS DD-3は1986年発売のクラシックなデジタルディレイ。
音が濁らず、原音の輪郭をしっかり保ったまま残響を足せるため、
歪みやファズの後段に置いても音像が崩れにくいという強みがあります。
DD-3がシューゲイザー向きな理由
- ディレイ音がクリアで、壁の中に埋もれにくい
- 短め設定でも空間の広がりを作れる
- リバーブと重ねても音がダマになりにくい
明瞭で反応の速いデジタルディレイを搭載した定番モデル。
シューゲイザーでは、
「聴こえるディレイ」ではなく「感じるディレイ」として使われることが多いです。
動画を聴くと分かる通り、
DD-3は派手な演出をしません。
その代わり、
歪みの壁を一段奥に押し出す役割を確実に果たします。
特にシューゲイザーでは、
ディレイタイムを短めに設定し、
リバーブと同時に常時ONで使われるケースも多い。
音を「飛ばす」のではなく、
空間に沈めるためのディレイです。
ディレイを主張させたいなら他の選択肢もあります。
ですが、
壁の奥行きを安定して作りたいならDD-3。
それが、このペダルが今も現場で選ばれ続ける理由です。
6. シューゲイザーにおすすめエフェクター Eventide Space

出典:サウンドハウス
シューゲイザーにおいてリバーブは、
「残響を足すエフェクト」ではありません。
音が存在する“空気そのもの”を作る装置です。
Eventide Spaceは、
その役割を極端なまでに突き詰めたリバーブ専用マルチエフェクター。
シューゲイザーやポストロックの文脈では、
空間を背景ではなく、主役として扱うために使われます。
Eventide Spaceがシューゲイザー向きな理由
- 音が鳴っていない時間にも“空気”が残る
- モジュレーションを含んだリバーブで空間が揺れる
- ステレオで広がり、壁の外側まで音を押し出せる
12種類の高品位リバーブアルゴリズムを搭載したプロ仕様モデル。
シューゲイザーでは、
「音を鳴らす」よりも「空間を鳴らす」目的で使われることが多いです。
実際の現場でも、
Eventide Spaceは薄く常時ONで使われることが多く、
それによって
ギターが“空間の一部”として溶け込む状態を作り出します。
歪み・ディレイで作った壁に対して、
Spaceはその外側にさらに大きな空間を用意する存在。
音量を上げなくても、
スケール感だけが一気に拡張されます。
リバーブを「効果」として使いたいなら、もっと手軽な選択肢もあります。
しかし、
“音の居場所”そのものを作りたいならEventide Space。
シューゲイザーにおいて、この違いは決定的です。
7. シューゲイザーにおすすめエフェクター Line 6 Helix

出典:サウンドハウス
Line 6 Helixは、
シューゲイザーにおける「現代的な解決策」です。
ここまで紹介してきた
歪み/ディレイ/リバーブ/揺れ/ピッチ――
それらすべてを一台の中で完結させるという発想。
Helixがシューゲイザー向きなのは、
単に音色が多いからではありません。
エフェクトの順番・分岐・重ね方を自由に設計できる点にあります。
つまり、
「音の壁をどう構築するか」そのものをデザインできる。
Helixがシューゲイザー向きな理由
- 歪み→空間系→空間系、という極端な構成が可能
- ステレオリバーブ/ディレイで広大な空間を作れる
- プリセット切替で“景色”を瞬時に変えられる
300種類以上のエフェクトとアンプモデルを搭載した
フラッグシップ・マルチエフェクター。
シューゲイザーでは、
「実機の再現」よりも「空間構築ツール」として使われることが多いです。
実際の現場でも、
Helixはライブでの再現性を重視するプレイヤーに選ばれています。
曲ごとに歪み量・残響・揺れを変える――
そのすべてを足元一台で制御できるのは、大きな武器です。
ペダルを一つずつ集める楽しさは確かにある。
だが、
「今すぐシューゲイズの世界観を完成させたい」なら、
Helixは最短ルートでもあります。
アナログ至上主義でなければ、
Helixは妥協ではなく選択です。
シューゲイザーというジャンルが、
もともと実験と技術の音楽だったことを考えれば、
この一台がここに並ぶのも自然な話でしょう。
8. シューゲイザーにおすすめエフェクター Eventide TimeFactor

出典:サウンドハウス
シューゲイザーにおいてディレイは、
もはや「残響」や「奥行き」を作るだけの存在ではありません。
時間そのものを歪ませ、演出として使う段階に入ります。
Eventide TimeFactorは、
その発想を最初から前提に設計されたディレイペダル。
単なるアナログ風・デジタル風の切り替えではなく、
時間・ピッチ・モジュレーションを含めた“時間演出装置”として機能します。
TimeFactorがシューゲイザー向きな理由
- ディレイ音そのものが揺れ、空間が動く
- ステレオで音が分岐し、壁が左右に広がる
- エクスプレッション操作で“時間の表情”を変えられる
10種類の高品位ディレイアルゴリズムを搭載したプロ仕様モデル。
シューゲイザーでは、
「フレーズを飛ばす」より「空間を変形させる」目的で使われることが多いです。
実際の現場では、
TimeFactorは常時ONで薄くかけるというより、
曲中の展開に合わせて踏み替える使い方が多い。
ディレイが“演出装置”になる瞬間です。
⑤で紹介したDD-3が
「安定した奥行き」だとすれば、
TimeFactorは
「動く奥行き」。
シューゲイザーの中でも、
より実験的・立体的な表現をしたい人向けの一台です。
ディレイを“背景”として使うか、
それとも音楽の一部として動かすか。
TimeFactorは、
後者を選んだプレイヤーのためのディレイです。
9. シューゲイザーにおすすめエフェクター YAMAHA SPX90

出典:YAMAHA公式サイト
YAMAHA SPX90は、
ペダルではありません。
それでもシューゲイザーを語る上で欠かせない、
90年代シューゲイズの“音の裏側”を支えたラック型エフェクターです。
特に重要なのが、
My Bloody Valentineのケヴィン・シールズが制作過程でSPX90を使用していた
という事実。
『Loveless』期のサウンドは、
ペダルだけで完結していたわけではなく、
スタジオ常設のデジタルリバーブ/ディレイが土台として使われていました。
Kevin Shields × SPX90 が示すもの
- 音の「壁」はペダルだけで作られていない
- 初期デジタル特有の無機質な残響が音像を曖昧にする
- リバーブは効果ではなく「空間設計」
1980年代に登場したプロフェッショナル向けマルチエフェクトプロセッサー。
ケヴィン・シールズは、
歪みやピッチ操作の後段で空間を“溶かす”役割として、
SPX90系のデジタルリバーブを制作環境に組み込んでいました。
重要なのは、
SPX90が「目立つ音」を出していたわけではない点です。
むしろ、
音の距離感を不明瞭にし、前後関係を壊すことで、
シューゲイザー特有の“どこから鳴っているか分からない音像”を作っていました。
現代の高性能リバーブと比べると、
SPX90は解像度も操作性も限定的です。
それでも、
『Loveless』の空気感と直結している機材という意味で、
シューゲイザー文脈では今も特別な存在です。
シューゲイザーを
「ペダルの積み重ね」だけで理解すると、
この機材は見落とされがちです。
しかし実際には、
ラック × ペダルの併用こそが、
ケヴィン・シールズの音作りを完成させていました。
10. シューゲイザーにおすすめエフェクター Fulltone OCD

出典:サウンドハウス
Fulltone OCDは、
いわゆる「シューゲイザー専用機」ではありません。
それでも本記事の最後に置いた理由は明確で、
現代のシューゲイズにおける“歪みの考え方”を象徴する存在だからです。
90年代のシューゲイザーでは、
歪みは「壁を作るための素材」でした。
しかし近年のシューゲイズ/ドリームポップでは、
歪みを“壁の中で動かす”アプローチが増えています。
OCDは、まさにその役割にフィットします。
OCDが現代シューゲイズ向きな理由
- 歪ませてもコード感・分離感が残る
- 空間系を後段に置いても音像が潰れにくい
- クリーン〜歪みをシームレスに行き来できる
真空管アンプに近い反応を目指して設計されたオーバードライブ。
シューゲイザーでは、
ファズやディストーションの前段・後段で“表情を作る歪み”
として使われるケースが多いです。
実際の使用例としては、
羊文学・塩塚モエカのライブボードでの使用が確認されており、
轟音一辺倒ではない、
繊細さと歪みが共存する現代シューゲイズを象徴しています。
また、
Josh Klinghoffer(元Red Hot Chili Peppers)や
Nick Valensi(The Strokes)など、
オルタナティブ文脈のギタリストに広く使われてきた点も、
現代シューゲイズとの親和性を高めています。
Big Muffのように「壁そのもの」にはならない。
だが、
壁の中で感情を動かす歪みとして、
OCDは確実に居場所を持っています。
90年代の手法をそのままなぞるか、
それとも今の感覚で再解釈するか。
OCDは、後者を選んだプレイヤーのための一台です。
【まとめ】シューゲイザーの音作りは「機材」ではなく「構造」で決まる
シューゲイザーというジャンルは、
単に「歪んだギター」や「深いリバーブ」を使えば成立するものではありません。
本質は、
音をどう重ね、どう配置し、どう溶かすかという
構造にあります。
本記事で紹介してきたエフェクターは、
どれも単体で完成するための機材ではなく、
他の音と混ざることを前提に選ばれてきたものです。
だからこそ、
シューゲイザーでは「正解の一台」が存在しません。
この記事で伝えたかった結論
- 歪みは主役ではなく、素材
- 空間系は効果ではなく、環境
- 音作りは足し算ではなく、重ね方
90年代の名盤をなぞるもよし、
現代的なアプローチで再解釈するもよし。
大切なのは、
「どんな音を鳴らしたいか」より「どう聴かせたいか」です。
あなたのペダルボードが、
誰かの記憶に残る「音の景色」になることを願っています。
よくある質問(FAQ)
Q1. シューゲイザーに必須のエフェクターは何ですか?
必須と断言できるエフェクターはありません。
ただし、
歪み系(ファズ/ディストーション)+空間系(ディレイ/リバーブ)
を組み合わせることが、基本的な出発点になります。
Q2. 初心者はどのエフェクターから揃えるべきですか?
まずは扱いやすい歪み系1台と、
シンプルなディレイまたはリバーブ1台から始めるのがおすすめです。
機材を増やすより、
重ね方や順番を試すことの方が重要です。
Q3. 高価な機材でないとシューゲイザーの音は出ませんか?
いいえ。
シューゲイザーの魅力は、
高級機材よりも発想と構成にあります。
予算内の機材でも、
セッティング次第で十分にそれらしいサウンドは作れます。
Q4. マルチエフェクターでもシューゲイザーは可能ですか?
可能です。
特に近年のマルチエフェクターは、
パラレル構成や複雑なルーティングが組めるため、
むしろシューゲイザー向きとも言えます。
Q5. 有名バンドと同じ機材を使えば同じ音になりますか?
同じ機材を使っても、
同じ音になるとは限りません。
シューゲイザーでは、
演奏・設定・音量・空間すべてが音作りの一部だからです。




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